2020年6月30日に日本政府は「宇宙基本計画の変更について」を閣議決定し、工程表の発表を12月16日に行いました。
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日本の現状
この中の前文で日本政府としての認識を記載しており、日本は宇宙開発が遅れているということです。
最近ではテスラ社のCEOでもあるイーロン・マスク氏率いるスペースX社が民間として最初の運用ミッションとなる宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げに成功し、宇宙飛行士の野口さんがISSに到着というニュースは記憶に新しいと思います。更には中国が打ち上げた月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が米露に次いで月の砂や石を採取して16日に地球に持ちかえる予定です。
更にはインドもこの数年間で急速に技術力を上げてきている。最近ではコロナの影響が大幅に出てきており月面探査・開発が延期になっているようですが、再開されればかなりのスピードで追い上げてくる可能性もあります。月面に関してはイスラエル企業もプロジェクトを進めています。
ロシアも14日に新しいロケット「アンガラA5」の2度目の打ち上げにも成功しています。なお、このアンガラは様々はペイロード(衛星などの宇宙へ運ぶ物)に対応するように「アンガラ1.2」など小さいバージョンもあります。そしてロシアは既存のロケットよりも燃料が毒性の少ない燃料はケロシン、そして酸化剤に液体酸素をしようして環境に対する安全性をアピールしています。
え?日本にもロケットもあるし、「はやぶさ」が世界のトップレベルじゃないか?と思われる方もいると思います。しかし、この「はやぶさ」は2014年に打ち上げており、この時から現在までの米中の宇宙開発は急激に進歩しています。例えば、この2014年はスペースXのファルコン9のブースターが初めて自動着地に成功した年です。日本は2021年に打上げを目指し、小型月着陸実証機(SLIM)の開発に取り組んでいますが、2014年からのスペースX社の功績を考えると日本の技術革新のスピードは明らかに遅いといえます。
我が国の宇宙機器産業はこの動きに遅れを取りつつあり、関連技術も急速に進歩する中、我が国が戦後構築してきた宇宙活動の自立性を維持していくためには、産業・科学技術基盤の再強化は待ったなしの課題である
宇宙基本計画 令和2年 6月30日 閣議決定版
特に米国ではビジネスのチャンスと捉えて巨大企業が資本を投入しています。そして中国、ロシアやインドは国の政策として巨額が投入されていますが、日本の国の予算は少なく、更に国の予算が貰えないと採算が合わないからやらないという日本の企業体質で最先端の技術は伸びていません。
その課題を認識して国は今回の宇宙基本計画を立ち上げ、力を入れていくようです。

アルテミス計画
では既に決まっている大型の日本にも関係がある宇宙プロジェクトはどのようなものでしょう。
JAXA(日本)が参加する米国NASAが提言した有人月活動の「アルテミス計画 “Artemis Accords“」が始動しています。
背景
2003年スペースシャトル「コロンビア号」が打ち上げ時に爆発を起こした事故から1年後、ブッシュ大統領が2015年から2020年までに有人月面計画の「コンステレーション計画 “Constellation Program”」を実施する方針を示しました。しかしながら、オバマ政権下では積極的な宇宙開発は行われなく、NASAが主導していたプログラムもかなり失速。その間に中国の宇宙開発が凄い勢いで発展しました。
その後、トランプ大統領になると2017年12月に宇宙政策指令第1号に署名し。有人月面探査と火星探査を実施することが決められ、のちに「アルテミス計画」となりました。
本計画は3部構成となっており、有人であったり無人であったりとそれぞれが違う事を行い、様々な企業が関わる予定です。
アルテミスの構成
「アルテミス1」は超大型ロケットの「SLSロケット」と「オリオン宇宙船」を月まで往来させる42日間の計画です。既にSLSロケットは構築されてきているのがサイトから伺えます。

オリオン宇宙船をアポロと比べてみると

「アルテミス 2」はアルテミス 1の有人飛行です。打ち上げは2020年の予定で10日間を想定しています。

「アルテミス 3」は2024年を目標に進めており、月面着陸を目標としています。月の周回軌道上で構築し、人が住みながら研究を続ける月軌道ゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gateway)の運用も予定しています。

月軌道ゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gateway)は国際協力でそれぞれのコンポーネントで繋がる研究室と生活する建物でオリオン宇宙船が離発着できるようです。

予定では人間の月面着陸は2024年に計画されており12月10日にNASAが候補の宇宙飛行士18名を選出し、実際に降り立つのはその中の2名となっています。選出された候補者は全てNASAのプログラム関係者でJAXAからは選出されていませんが、将来この計画に参加している国からも参加するかもしれないと含みを持っているようです。
アルテミス計画関連企業、関連株、関連銘柄
アルテミス計画に参加している世界の企業はこちらのサイトに出ています。
現状ではこのアルテミス計画に関わる企業で日本企業は無いとみられているのも日本の技術力・生産能力の現状を表しているといえます。しかしながら、アルテミス計画は月面着陸のみを目的としているわけではなく、月に水源があることが分かったことから、今後は研究と生活をしていく事を目的にもしています。そして更には月、またはゲートウェイを基地として火星へと目標が先にもあるのです。
既に「アルテミス 3」の月面着陸に上げられている候補の↓の3つは主に人や物の移動に使われる企業であり、今後の月面活動(人が生活する、研究する)に必要な様々な物は未だに発表されていないので、可能性のある日本企業は出てくるのではないでしょうか。
この3チームは2021年2月までの間に着陸機のコンセプトを作り出し1チームがパートナーシップを結ぶようです。契約の総額は9億6700万ドルの予定です。
| 企業名 | 内容 |
| Dynetics | 合計25社で構成されるチームでDynetics Human Landing System(DHLS)を担当します。DHLSは1段式の着陸船で、宇宙船と着陸機が一体になる予定です。実際に作られた模擬物はかなり安定感のありそうなデザインです。 |
| Space X | 先にも書きましたSpace X。この計画では特別な月面着陸用の機体となるようです。一番、ペイロードが多く取れる予定で、燃料補給用のロケットを宇宙空間に打ち上げ、途中で燃料補給をした後に月面着陸をする計画の様です。 現状ではペイロードが一番大きく技術的に既に進んでいるこちらが本命のような気もします。 |
| National Team | AmazonのCEOのJeff Bezos氏が創業したBlue Origin。Blue Originを主契約者として、Lockheed Martin、Northrop Grumman、Draperという大手企業のチームです。Integrated Lander Vehicle (ILV)という3段式の着陸船を予定しています。 |

なお、既にSLSロケットに関してはAerojet Rocketdyneと合計24基のエンジンをNASAは契約しており、契約総額は約35億ドルになっています。
次の回では日本の宇宙計画の現状と今後のプランをまとめていきたいと思います。